マンガレポートvol.1 ブルージャイアントという音楽系マンガの最高峰について。

ブルージャイアント 宮本大 石塚真一

ブルージャイアントという音楽系マンガの最高峰について。

 

 

 

読者のみなさんは漫画って読みます?

実は私は自称、かなりの漫画通。それこそ小学生の頃から今までの数十年、数千冊、ひょっとすると数万冊の漫画を読んできました。

その中でも、トップクラスに好きな漫画の紹介が急にしたくなったので聞いてください。

 

 

第1弾はblue giant

 

 

今や「なんだ、ブルージャイアントか、ベタだな」と思われてもおかしくないほど一般的に評価もされているこの漫画。

まぁ引き込まれましたね。いぎなり引き込まれましたよ。

 

現在も連載中なのでネタバレしないようにあらすじを書くと、高校生でジャズの魅力にはまった東北出身の主人公がテナーサックスを片手に東京、ドイツ、と渡り歩く話。

 

作者はこれまた大ヒット作、「岳」でおなじみの

石塚真一さん。

なんかこの人自身もおもしろいんです。

 

石塚真一 ジャズ ブルージャイアント

しゃべりもお手の物

これは昨年、東京であったイベントでの石塚さん。

まず、意外。トークがうまい、面白い。小気味いい。そっちの分野でもやってけそう。

この日はブルージャイアントとジャズについて語ってもらって、最後にライブペイントをしてもらうというイベントだったんですが、その場のお客さんや自分のアシスタントもいじりつつ場を回す感じは「漫画家ってこんなにトークこなれた感じなの?」と、漫画家のイメージ変わります。

 

で、この人。

 

自分で描いている漫画の主人公になんか似てます。

 

岳もブルージャイアントも。

 

ほんわかしたというか無邪気というか、それでいて熱いというか。

ああいう漫画を描く人なんだから心の中に熱いものはそりゃ持ってるでしょうね。

普段がどうかは知りませんが、ちょっと子供っぽさが残ったユーモアなおじさんでした。

 

 

そんな石塚さんが描くブルージャイアントですが、なんといっても登場人物が魅力的で、音楽漫画でありながら引き込まれるのはその人間模様。

 

 

まず、主人公は良くも悪くも「まっすぐ」すぎる

ほんと、よくも、わるくも。。。

 

岳の主人公もそうだったけど、この人は愛される主人公を描きますね。

 

なんていうのかな。

田舎で育ったおばあちゃん子で誰にでも優しい、みたいな?それでいて芯が強い。ところにより頑固。

 

この漫画の人気は間違いなく主人公のキャラクターによるところが強いでしょうね。

 

石塚真一 ブルージャイアント ジャズ

主人公の宮本大を書く石塚さん

そういった主人公を真ん中におくと、周りには癖のある人間をどんどん登場させられるわけで、一見人としてダメそうな、それでいてたしかに「いるいる、こういう人!」という登場人物が多く、ほんっとに飽きない。

 

 

主人公だけだときれいすぎて薄っぺらい描写になるかもしれない物語や小ばなしも、そこを癖のある人間とのやりとりにすることによって両方ともが引き立たせられてスッと入ってくるんですね。

 

この辺のバランスが絶妙。

 

そして題材になっているジャズだけど、そもそもみなさんジャズって音楽を聴きます?聴かないよね?

私はたまたまジャズが好きだったけど、読者の中にはジャズを聴いたことがない人ってすごく多いと思うんですよ。

 

ただ、この漫画はジャズに、そもそも音楽に興味がない人でも読み物として楽しめるでしょうし、なにより

絶対にジャズをききたくなる。

 

きいたあとで好きになるかは知りませんが、一回は聞いてみようかなって思っちゃうでしょうね。

 

 

人間模様を魅了的に描ける、描くことのできる作者が選んだ題材としては、個性が全てあらわれる(あらわしていい)ジャズって音楽は最適なんじゃないでしょうか。

 

 

 

そして肝心の演奏シーンはと言うと、

割と多くの人が口を揃えて言う

「音楽が聞こえる」

この表現は大げさでもなんでもなくて、事実ですね。聞こえました。

 

まぁ曲名がわかっている場面なんかも多いんだけど、それを差し引いても。

例えばinvitationって曲を演奏する場面は間違いなくinvitationなんだけど、どんな音で演奏しているか、まで想像させてくれる、してしまうんですよね。

多分一コマだけをみても音は聞こえないと思いますが、読み進めていった流れの中での演奏シーンはほんとにサックスの音が鳴ってる。それは演奏シーン以外の感情の描写や演奏までの話の流れ方がうまいからでしょうね。

 

 

そして、たぶんですが登場人物にはモデルがいます。

演奏を聴いている人たちの表情や反応、感想から誰をモデルにしたキャラクターなのかも連想してしまう。

「最初は大の演奏はコルトレーンなのかと思ってたけど、ソニーロリンズのような気もするな。。。」

「ブルーノは絶対エバンスだ! 」

とか。

 

まぁこの楽しみ方はジャズをもともと好きな人じゃないとできないかもしれないですけど、逆にマンガを見たあとに名前だけ登場する過去の名プレーヤーの演奏を聞くとかもいいでしょうね。

 

 

 

こんな感じで、この漫画は読者に想像しながら読む楽しさを与えてくれます。

紙の上に表現されている以外のことをね。

巻末の、登場人物への数年後のインタビューなんかまさにそれですね。数年後のキャラクターたちが今連載している部分の時代を振り返るコーナーがあるんですけど、その発言からいろいろ回収できたりするんです。個人的には結構ここ好きです。単行本を見てないとわからないんですけどね。

 

 

 

最後に、最近思うのは、今はみんな「想像」ってあんまりしなくなってきてるじゃないですか。だって調べれば想像する間もなく答えが手に入るし。

だから、例えば2人の人が、別の人の話を聞いて頭に思い描くことってあまりずれがないと思うんですよ。旅行先の思い出とかを友達から聞くときも、旅行先の画像や動画をその場でみながら話せますしね。

 

だからこそ、言語化できない、ひとりひとり別のものを感じる音楽とか絵画とかって大切にするようになっているとおもうんですよね。

 

 

そんな中でも表現の方法としては自由度が高すぎるジャズという音楽と、音が聞こえるほど表現豊かなマンガを作れる石塚真一のコラボ、ブルージャイアント

 

必読です。

 

ブルージャイアント 宮本大 ジャズ

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